2010年1月21日木曜日

日本一の富豪’柳井正ユニクロ会長 (中央日報)

グッチ、ルイ・ヴィトン、ベルサーチなど名品ファッションの時代は終わり、‘ファストファッション’の時代がきた。ファストフードのように低価格で負担なく買える衣類が市場の主流になったということだ。世界的な景気低迷が背景だ。


「ユニクロ」というブランドで有名な日本ファーストリテイリングの柳井正会長(61)はこうした市場の流れを主導している。柳井会長は19日、中央日報の単独インタビューに応じ、ファッション市場の流れをこのように要約した。

「グローバル市場のメインプレーヤーが変わっている。私たちのようにミドル、マスブランドが世界衣類市場の主流になるとみている。韓国と中国、パリとニューヨークも同じだ」

田舎の衣料品店から出発し、フォーブスが選定した日本一の富豪になった柳井会長は20代の時、‘失業者’になった経験がある。それだけに普段から仕事に対する信念は格別だ。

時間は戻せない。20-30代にどれだけ頑張るかによって一生が決まる。この時期に楽をすれば生涯苦労する。早く仕事を探して頑張って売る人が人生の勝利者になる」

柳井会長は今年、海外進出を拡大する計画だ。来月末のロシア進出をはじめ、今年中にアジアはもちろん、ニューヨーク・パリにも店舗を拡大する。

柳井会長は「企業は前に進まなければつぶれる」とし「三星(サムスン)電子が電子で世界1位になったように、われわれは小売り業で世界1位になることを目標にずっと成長していく」と述べた。

韓国衣類会社については「グローバルブランドを育てたらファーストリテイリングや三星電子のようにニューヨーク・パリにも進出できると思う」と話した。

温かさと激しさを帯びた表情だった。日本最高の富豪、柳井正ファーストリテイリング会長兼最高経営者(CEO)の第一印象だ。柳井会長は毎日午前5時30分に起きて新聞を読む。新聞の中に世界のすべての情報があるからだという。そこで経営のヒントを得ると語った。

出勤時間は午前7時。服装はいつもユニクロ(UNIQLO)だ。公式行事があってもスーツではなくカジュアルなユニクロを着ている。

19日、東京本社で柳井会長に会い、不況の中で光を放つ柳井会長の経営戦略と人生観を尋ねた。スピード経営で有名な経営者らしく考え方は明確で簡潔だった。また柳井会長は韓国の三星に大きな関心を見せた。

--誰もが不況で苦戦している中、ユニクロが好調を維持している秘訣は何か。

韓国も同じだ。衣類小売り業はいつも不況だった。不況の中でも売れる方法を考えなければいけない。衣類は衣類業界だけで競争するのではない。顧客の財布に入っているお金はどこにでも行く。レストランで食事をしたり、自動車を購入したり、携帯電話を買ったりする。衣類会社もその中で競争しなければならない。これを考えながら商売をしている。何もしなければ売れない

--あまりにもよく売れるため「ユニクロがうまくいくほど国が滅びる」という批判まで出ている。

「完全に逆だ。ユニクロが繁栄してこそ国が繁栄する。韓国企業の三星(三星電子)を尊敬している。業種は違うが、やっていることは同じだ。グローバル化だ。韓国の産業が世界の産業になったケースだ。日本も世界へ出て行かなければいけない。その間、国内市場にとどまっていた日本のものを世界に持って出て行くということだ。外に出て行かなければ日本企業はみんなつぶれる。韓国も低出産・高齢化が進んでいるが、そういった環境で韓国だけを考えていれば発展は見込めない。日本ではみんな井の中だけで考えてきた。こうした保護主義のもとで人以外に何もない日本は生存できない」

--特別な経営戦略はあるのか。

「私たちには独特なものがない。合理的に考えて、誰でも納得できることをしている。企業は一つの場所にとどまってはいけないということだけははっきりしている。同じ場所にいれば滅びるので、外に出て行き、未来に合わせて変化する。あえて戦略があるとすれば‘経営23カ条’程度だ。30歳ごろに作って今まで使っている。良い会社は世界のどの会社でも同じ原理に帰結するとみている。良い会社のエッセンスと本質を集めたものだ。例えば第1条は‘顧客が要求に応じて顧客を創造する経営’だ」

--日本ではバブル経済の後遺症が20年が過ぎても続いている。ユニクロがよく売れるのはデフレやバブル崩壊と関係があるのか。

「全く関係ない。日本国内以上に海外でよく売れている。景気が良い中国でも、ニューヨークやパリでも、韓国でもよく売れる。客単価(一人の顧客が購入する平均金額)も昨年より増えた。私たちの名前を取り上げてデフレを合理化するのは受け入れられない。どこがデフレなのか。私たちの看板商品のヒートテックセーターは1500円だ。ほとんどの競合他社の商品は1000円以下だ。それでも売れない。私たちは05年、主要国内新聞の1面で‘ユニクロは低価格をやめる’と宣言した。価格に比べて良い商品という言葉は聞きたくない。ただ良い商品だと評価されたい」

--日本では中小企業の倒産に歯止めがかからない。不況を克服して成長する道はあるのか。

「ある。大企業もみんな零細企業、中小企業だった。したがって必ず成長しなければならず、利益を出さなければならない。今の事業を維持しようと考えれば絶対にいけない。事業は社長一人だけでしてはならない。社長が不景気だ、儲からないと言いながら現状を維持しようとすればその場で終わりだ。部下は社長と一緒に成長したがる。社長が悲観的に話せば、その会社にいようとは思わない。社長が希望を持ってこそ社員も希望を抱く

--米国の経済雑誌フォーブスで日本最高の富豪に選ばれた。

「よく考えてほしい。企業家らに話したいことがある。私は田舎出身だ。炭鉱がある貧しいところだった。そこの商店街のみずぼらしい洋服店が出発点だった。お金持ちになる可能性はゼロだった。しかも繊維小売り業だった。それでも成功するというのは、他の産業には非常に大きな‘チャンス’があるということだ。みんなあまりにも否定的に考えている。成功するのではと思う姿勢を持つことが必要だ。景気が悪いからというふうに考えてはならない」

--今年は三星の創業者、故李秉喆(イ・ビョンチョル)会長の誕生100年目の年だ。三星の経営やグローバル戦略についてどう思うか。長所や学ぼうと思う点は。

「李健煕(イ・ゴンヒ)会長が‘妻を除いてすべて変えろ’と話したと聞いた。その後、三星電子はグローバル企業になった。今後、売上高を4000億ドルに増やすと言っている。三星はそれが可能だと思う。私も同じだ。繊維(衣類)と小売業で三星のようになろうと思う。米マイクロソフト(MS)・オラクル・インテル・アップル・グーグルも世界的に商品を売っている。どの企業もこのようにできる。日本と韓国は資源がなくて不利だというが、むしろ有利だ。人材と資本と技術がある。途上国にはないものだ。しかも中国とインドは日本と韓国の成長センターだ。バングラデシュとパキスタンも舞台になる。このように有利な地位に多くの条件がそろっている国は多くない

--鳩山政権は輸出がうまくいかないから内需を振興させようという主張をしている。

「それは違う。市場がグローバル化しながら輸出と内需に区別がなくなった。企業が世界のどこにも進出する世の中になった。内需で国境を作れば日本は沈没する」

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